池田先生が書いてない2つの説明

コメントしてみたのだが、掲載されなかったようなので、せっかく書いたのでここに載せておくかと。投稿したコメントそのまま。(長すぎ??)

池田先生の説明に対して、二点説明されていないことがあるように思えます。

1)何故そもそも日本の所得水準が中国と比べて高いのか。
ウェイトレスの賃金を X, コーヒーの価格を Y とすると、以下の説明は、

> 日本では、ウェイトレスを1人雇うことによって増える売り上げは800円だが、中国では80円しか増えないかもしれない。この場合には、時給も限界生産性に均等化されるので、80円になる。

X = f(Y)と言っている。そして、所得水準を Z とすると、以下の説明は、

> コーヒーの価格は他の財・サービス(たとえばパン)との相対価格で決まるから、たとえ日中でコーヒーとパンの相対価格が同じでも、日本の所得水準が高いぶんだけ、絶対価格は中国よりも高くなる。

Y = f'(Z)と言っている。つまり、

X = f(Y) = f(f'(Z))

で、ウェイトレスの賃金 X は、その国の所得水準 Z によって決まると言っているのだが、池田先生の説明の中では、その国の所得水準 Z がどうやって決まるかについては言っていない。この所得水準て、その国のがどんだけ外貨を稼いでいるかで決まる、言い換えればその国の全体生産性で決まっているように思えるのですが、違うのかな。会ってればウェイトレスの賃金が国の全体生産性で決まり、それを引き上げているのが、物を外国に輸出している製造業ということにはならない?

2)コーヒーの価格差
> なぜ1杯のコーヒーが日本では400円なのに、中国では40円なのだろうか? それはサービス業では国際競争が不完全だからである。

「国際競争が不完全だから」から言える事は、「価格差が縮まらない」ということだけで、「何故コーヒーがそもそも日本では400円、中国では40円なのか」については説明になっていないと思うのですが、どうでしょう?

1, 2に共通して言える事は、池田先生はフローについて説明しているけど、ストックについては説明していないように思えます。そもそもその値はどっから来てるんだって言う話。

製造業が外貨をたくさん稼いで、リッチな人が増えて、ドトールの180円のコーヒーよりスタバの400円のコーヒーを好む人が増えれば、コーヒー一杯あたりの平均価格が上昇し、限界生産性を通じて、コーヒー屋の店員の平均賃金も上昇するのではないでしょうか?

何故日本のコーヒーが400円なのかは、今まで製造業がずーっと外貨を稼いで日本全体を豊かにしてきた結果なのでは?そこを言わないと、何故日本のコーヒーが400円なのかについては説明できないと思いますが、どうでしょうか?